Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しろいはなあかいくき
白い花赤い茎
田中 貢太郎
Lesen Sie 白い花赤い茎 (しろいはなあかいくき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.634 Zeichen · 12 Bildschirme
柔らかい手触りの好い母の手らしい手に触れた。
「これでもお母さんの手じゃないか」
「お母さんの手よ」
総領女は急いで戸を開けた。母親はつかつかとあがって、地炉のそばに寝ている二人の小供をじっと見ていた。総領女は其の傍へ往ってほんとうの母親だろうかと其の顔を覗いて見た。微暗くてはっきりとはしないが、顔は母親であった。
「お餅も貰って来ておるが、朝皆が起きた時にいっしょにやる、私と赤ちゃんとは奥の室へ往って寝るから、お前たちは此処で寝るが好い」
総領女は母親の云うとおりになって、弟の傍へ横になると、母親は妹の子を抱いて奥の室へ入って往った。
総領女は横になったものの、母親の素振に腑に落ちないところがあるので、どうしても睡れなかった。其のうちに奥の室の方からびしゃびしゃと云う音が聞えて来た。其の音は犬か猫かが物を喫うような音であった。総領女は耳を聳てた。猫が鼠でも喫っているだろうかと思ったが、家には猫も飼ってないので、どうしても見当がつかなかった。と、彼女は、今晩のお母さんがほんとうのお母さんでなかったら、なにをするかも判らないと思いだした。彼女は妹が心配になって来た。