Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろくれない

白くれない

夢野 久作

Lesen Sie 白くれない (しろくれない) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.846 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

を扮装して直江志津の一刀を錫杖に仕込み、田川より遠賀川沿ひに道を綾取り、福丸といふ処より四里ばかり、三坂峠を越えて青柳の宿に出でむとす。

既に天下のお尋ね者となりし身の尋常の道筋にては逃るべくもあらず。青柳より筑前領の大島に出で、彼処より便船を求めて韓国に渡り、伝へ聞く火賊の群に入りて彼の国を援け、清の大宗の軍兵に一泡噛ませ呉れむと思ひし也。

人の運命より測り知り難きはなし。

われ、かく思ひて其の夜すがら三坂峠を越え行くに、九十九折なる山道は、聞きしに勝る難所なり。山気漸く冷やかにして夏とも覚えず。登り/\て足下を見れば半刻ほど前に登り来りし道、蜿々として足下に横たはれり。飴色の半月低く崖下に懸れるを見れば、来し方、行末の事なぞ坐ろに思ひ出でられつ。流るゝ星影、そよぐ風音にも油断せずして行く程に何処にて踏み迷ひけむ。さまで広からぬ道は片割月の下近く、山畠の傍なる溜池のほとりに行き詰まりつ。引返さむとして又もや道をあやまりけむ。山道次第に狭まり来りて、猪、鹿などの踏み分けしかと覚ゆるばかり。山又山伝ひに迷ひめぐりて行くうちに、二十日月いつしか西に傾き、夜もしら/″\と明け離るれば、遥か眼の下の山合深く、谷川を前にしたる大きやかなる藁屋根あり。