Japanische Klassiker mit Furigana
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しろっぽいようふく
白っぽい洋服
田中 貢太郎
Lesen Sie 白っぽい洋服 (しろっぽいようふく) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.116 Zeichen · 9 Bildschirme
耳許で叱り咎めるような声がするとともに右の腕首をぐいと捉んだ者があった。務は浮かしていた体をしかたなしに下に落した。
「務じゃないか」
驚いたように云った対手の温な呼吸が頬にかかるように思った。務は驚いて眼をみはった。
「俺だよ、正義だよ」
務は同時に白っぽい洋服を着た兄の鈎鼻のある顔を見つけた。
「ああ」
「お前が倉知さんへ往っていると云うから、ついでに挨拶して来ようと思って、あがらずに来た、何故そんな、つまらない真似をするのだ」
「わ、わたしは、申訳のないことをしているのです」
前年の八月に二人の小供が前後してチブスになったので戸主の兄に無断で宅地を抵当にして金を借りたが、そこは植木屋をしていた父親の出入先で、歿くなったそこの主人には現在自己の奉職している会社の奉職口まで世話になった間であるし、夫人とも如才ない間であるから、他から借りてくれたと云うことになっているが、それは口実で、金は屹度そこから出ていると思っているので、一二度利あげをしたままでそのままにしてあったところで、済南に往って商売をしていた兄から、支那の動乱で商売も面白くないから、店を譲って近近帰って来ると云う手紙がその朝の郵便で来た。