Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はくちゅうむ
白昼夢
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白昼夢 (はくちゅうむ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.690 Zeichen · 8 Bildschirme
一体全体、この男は何を云わんとしているのだ。何とも知れぬ恐怖が、私の心臓を風船玉の様に軽くした。
「……女房の脂ぎった白い胴体や手足が、可愛い蝋細工になって了った」
「ハハハハハ、お極りを云ってらあ。お前それを、昨日から何度おさらいするんだい」誰かが不作法に怒鳴った。
「オイ、諸君」男の調子がいきなり大声に変った。「俺がこれ程云うのが分らんのか。君達は、俺の女房は家出をした家出をしたと信じ切っているだろう。ところがな、オイ、よく聞け、あの女はこの俺が殺したんだよ。どうだ、びっくりしたか。ワハハハハハハ」
……断切った様に笑声がやんだかと思うと、一瞬間に元の生真面目な顔が戻って来た。男は又囁き声で始めた。
「それでもう、女はほんとうに私のものになり切って了ったのです。ちっとも心配はいらないのです。キッスのしたい時にキッスが出来ます。抱き締めたい時には抱きしめることも出来ます。私はもう、これで本望ですよ」
「……だがね、用心しないと危い。私は人殺しなんだからね。いつ巡査に見つかるかしれない。そこで、俺はうまいことを考えてあったのだよ。隠し場所をね。……巡査だろうが刑事だろうが、こいつにはお気がつくまい。