Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はくもくれん
白木蓮
豊島 与志雄
Lesen Sie 白木蓮 (はくもくれん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 24 Bildschirme
その眼眸の清らかさが、肉附や皮膚の薄い顔の明るさをいっそう際立たせ、片方の細長い小さな糸切歯が、薄い膚の微笑みの可愛さをいっそう際立たせている。その全体が、なにかしら運命に対する抵抗力の弱さ、つまり薄命なものを思わせる。私が庇うようにかき抱いてやったら、彼女はどうするだろうか。
私が口を噤むと、彼女も黙っている。買物袋を膝にかかえ、白いハンケチを持ちそえ、赤い帯をしめ、かすかに化粧の香りをさせてる、都会の娘だ。田舎の娘ならば、石に腰掛けて夕日を眺めるなどは、退屈に違いない。――夕日は薄い雲に包まれ、円盤のようにくるくる廻りながら、速かに沈んでゆく。冷い風が地面に沿って足下を流れる。
「少し歩こうか。」
「ええ。」と彼女は答える。
「もう帰ろうか。」
「ええ。」と彼女は答える。
どちらにしていいか、私の方でまごつくのだ。ただ、そこで彼女と別れてしまうことは、しにくい。私は彼女について行く。加津美までついて行く。
加津美へは、喜美子は裏口からはいるが、私はそうはいかない。表からはいれば、座敷へ通されるし、座敷へ通ればお客さまだ。お島さんが万端の面倒をみてくれるし、お上さんも顔を出すし、黙っていても桃代が呼ばれるだろう。