Japanische Klassiker mit Furigana
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はくもくれん
白木蓮
豊島 与志雄
Lesen Sie 白木蓮 (はくもくれん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 24 Bildschirme
「梶山さん、ほんとに喜美ちゃんが好きなの。」
「うん、好きだよ。」
「どんな風に好きなの。」
「どんな風って……別に愛してるわけじゃないが、ただ好きだよ。本当のことを言えば、喜美ちゃんを見てると、今にたいへん不幸なことが喜美ちゃんに起りそうで、なんだか、胸が切なくなる……そんな風でね……。」
「それ、ほんとなの。」
桃代は私によりかかるようにして、そして突然、すすり泣くのだ。私はびっくりして、彼女の肩をかかえながら、喜美子はもしや彼女の身寄りの者ででもあるのかと、尋ねてみたが、彼女はもう泣きやんできっぱり答えた。
「いいえ、全くの他人だけれど、でも、わたし、ほんとに好きなの。」
そして彼女は押っ被せてくるのだ。
「さあ、話して下さい。喜美ちゃんのこと、なんでも話して下さい。わたしも話すわ。」
おかしなことに、喜美子はもうどこか遠くにいて、私達だけがそこに取り残され、酔いつぶれかけていた。お上さんが銚子を持ってくると、桃代はくずれた姿態のままで言う。
「お上さん、許してね。わたしたち、喜美ちゃんに結ばれたのよ。喜美ちゃん、どこにいるの。連れて来てよ。」
来るものか、遠くに行っちゃった、と私は思うのだ。