Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はくもくれん

白木蓮

豊島 与志雄

Lesen Sie 白木蓮 (はくもくれん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

その原っぱへ出ると、喜美子は、いっそう新鮮に子供っぽくなる。

道路からちょっとはいったところに、腰をおろすのに恰好な石があるので、道で出逢った喜美子を誘うと、彼女はすなおに頷いてついて来る。そして私達は、道路の方に背を向け、地上にただ二人きりのような気持ちで、焼け跡の野原をぼんやり眺めるのである。大気は冷いが、じっと腰掛けていると、夕陽の光りの仄かな温みが肌に感ぜられる。

喜美子は田舎に生れて、幼い両親と共に東京に出て来た。両親はもう亡い。田舎には、伯父さんやずっと年上の兄さんがいるけれど、一度も行ったことはない。記憶には、美しい小川が一つ浮んでくる。

「いつも、水がきれいに澄んでたわ。深いところでも、底まではっきり見えるの。砂があったり、小石があったり、泥があったりして、泥のところには藻が生えてるの。藻の中にいろいろな魚がいて、みんなでしゃくいに行ったわ。魚はなかなか取れないけれど、小蝦はよく取れたわ。大きな蟹に指をはさまれて、泣きだしたこともあるの。」

「喜美ちゃん、そんなにおてんばだったの。」

彼女は頭を振って笑った。

「いいえ、あたしじゃないのよ。