Japanische Klassiker mit Furigana
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しろばなのあさがお
白花の朝顔
泉 鏡花
Lesen Sie 白花の朝顔 (しろばなのあさがお) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.880 Zeichen · 62 Bildschirme
」
などと京人形が口を利いた。
手水鉢で、蔽の下を、柄杓を捜りながら、雫を払うと、さきへ手を浄めて、紅の口に啣えつつ待った、手巾の真中をお絹が貸す……
勝手になさい。
が、こんなのが、初夜過ぎた霊場へ、すらすらと参られようはずはない、東の階の上には、一本ならべの軽い戸だが、柵のように閉ざしてあった。
「前は、こうではなかったはずです……不良でも入るか知らん。」
「こちらも不良どすな、おほ、ほ。」
「怪しからん、――向う側へ。」
と、あとへ退って、南面に、不忍の池を真向いに、高欄の縁下に添って通ると、欄干の高さに、御堂の光明が遠くなり、樹の根、岩角と思うまで、足許が辿々しい。
さ、さ、とお絹の褄捌きが床を抜ける冷たい夜風に聞えるまで、闃然として、袖に褄に散る人膚の花の香に、穴のような真暗闇から、いかめの鬼が出はしまいか――私は胸を緊めたのです。
「まず、可。」
西側の、ここの階段上は、戸はあるが、片とざしで開いていた。
廻廊の上を見れば、雪空ででもあるように、夜目に、額と額とほの暗く続いた中に、一処、雲を開いて、千手観世音の金色の文字が髣髴として、二十六夜の月光のごとく拝される。