Japanische Klassiker mit Furigana
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しろばなのあさがお
白花の朝顔
泉 鏡花
Lesen Sie 白花の朝顔 (しろばなのあさがお) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.880 Zeichen · 62 Bildschirme
…」…失礼します。……居堪らなくて、座を立つと、――「散歩をしましょう。上野へでも、秋の夕景色はまた格別ですよ。」こっちはひけすぎの廊下鳶だ。――森の夕鴉などは性に合わない。
「あの、いま、そういおうと思っていた処です。なんにもありませんが、晩のご飯を。」
まだ入れかえない葦戸に立って、夫人がほの白く、寂しそうに薄暮合を、ただ藤紫で染めていた。
その背の、奥八畳は、絵の具皿、筆おき、刷毛、毛氈の類でほとんど一杯。で、茶の間らしい、中の間の真中に、卓子台を据えて、いま、まだ焼海苔の皿ばかり。
三巴に並んだ座蒲団を見ると、私は玄関へ立ち切れなかった。
「すぐお燗がつきますが。境さん、さきへ冷酒ですか。」
「いや、断ものです。」
と真中へよれよれの袖口を、そっとのばして、坐ると、どうも、そっちが上席らしい、奥座敷の方へお洲美さん。負けてはいないな、妹よ、何だか胸が熱くなる。紺の袴は、入口の茶棚傍を勢い然るように及んで、着席です。
「牛が宜しい……書生流に、おおん。」
亭主のすきな赤烏帽子を指揮する処へ、つくだ煮を装分けた小皿に添えて、女中が銚子を運んで来た。
「よく、いすいだかい。