Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろばなのあさがお

白花の朝顔

泉 鏡花

Lesen Sie 白花の朝顔 (しろばなのあさがお) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.880 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

と胸へ肩へ、舞立ったような飛模様を、すらりと着こなした、長襦袢は緋に総染の小桜で、ちらちらと土間へ来た容子を一目、京都から帰ったばかりの主人が旅さきの知己、てっきり溶けるものと合点して、有無を部屋へ聞かないさきから、すぐこうお通りはいいのですが、口上が癪ですよ。(真暗ですから。)が、仕方がない、押付け仕事の安普請で、間取りに無理がありますから、玄関の次が暗いのです。いきなり手を曳いて連れ込んだ、そのひき方がそそっかし屋で荒いので、私と顔を会わせた時は、よろけ加減で、お絹の顔が、ほんのりとなって、その長襦袢のしなやかな裳をこぼれた姿は、脊は高し、天井の黒い雲から糸桜がすらすらと枝垂れたようで、いや、どうも……祇園の空から降って来たかと思われました。

――時に、重ねていうようですが、三月のはじめです。三月といえば弥生です。桜は季節でありますけれども、まだどこにも咲いてはいません。ところが、どうした事か、これから、宵、夜、夜中に掛けて、話を運びます、春木町の、その頃の本郷座。上野の山内、清水の観音堂。鶯谷という順に、その到る処、花が咲いていたように思います。