Japanische Klassiker mit Furigana
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しらふじ
白藤
宮本 百合子
Lesen Sie 白藤 (しらふじ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.810 Zeichen · 16 Bildschirme
段々接触が多くなるにつれ、お孝さんは母のいいところも至らぬところも理解されたらしいし、母もお孝さんの裡に、自分の血管のうちに流れている一種の激しい、しかも正直で術策のない、ロマンティックな要素も多い熱血を感じとったらしく思われる。
私は、漸く人間の心持の曲折や、ことには女の生活の明暗が、いく分身にひき添えてわかる時代に入って来た。
母の生活にあらわれる光りと翳を、女性のその時代、その年頃の生命の波だちとして感じられるようにもなり、ひいてそのことは、日本の世間のしきたりや女の暮しとして定められている形と女性本然の生活への翹望というものが、時にどんな形で相搏つものかということについて、深く心をうたれる場合を多くした。
古田中夫人の性格というものが、徐々に一つの力をもって私にかかわるものとなって来た。
この時分、どういう折のことだったろう。夫人は私に一つ指環を下すった。お孝さんはなかなか趣味家で、指環にも趣好があるらしいよ、というようなことを、母からきいていた。いつも、さっぱりと一つほど、気にかなった指環をして居られて、それはどれも仰々しいところのない、親愛な気分のものだった。