Japanische Klassiker mit Furigana
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しろうまだけ
白馬岳
木暮 理太郎
Lesen Sie 白馬岳 (しろうまだけ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.746 Zeichen · 28 Bildschirme
この附近の林中に戸隠升麻を産する、淡紫色の花はさして綺麗というでもないが、産地が少ないので珍重されている。中山沢を渡り、巨大な山毛欅林の中を登って行くと、路傍に猿倉の小屋がある。此辺は既に山毛欅帯であるから、高度も千二百米を超えている。此処から分れて左に行く道は、二子乗越を踰えて南股の上流湯沢に下り、白馬温泉に行く新道である。途中鑓ヶ岳から出た大雪崩が山毛欅の巨木をへし折って、林の中を一押しに押し下った物すごい跡が見られる。
昔の白馬登山路は、此辺で一度河原に出てからまた喬木林の中に入ったものであった。其処は熊ノ穴と称し、関門状をなした巨岩の間から、渓水が急瑞をなして奔出し、雷の如き響は耳を聾する許りで、壮観とされたものであるが、今は足下遥に渓声を聞くのみである。姥百合、大虎杖、水芭蕉、夜衾草、矢車草等の巨大なるものが見られたのも、このあたりからであったが、最早原始の面影を失ってしまった。
長走沢を渡りて一しきり急坂を辿れば、道はいつしか爪先上りとなり、三荷葉、大伶人草、夏雪草等が咲いている。木立が薄くなって、追上沢というのを越すと、間もなく杓子の大沢に出る、夫を渡って右に少し登ると小屋がある、ここが白馬尻と呼ばれる所で、右から白馬沢が来て杓子の大沢に合流している上手に当っている。