Japanische Klassiker mit Furigana
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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
Lesen Sie 白髪小僧 (しらがこぞう) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.770 Zeichen · 194 Bildschirme
親が死んでも構わずに酒を飲んだ。嬶や小供が死んでも矢張り酒を飲んだ。家が火事になっても、打っ棄っておいて酒を飲んでいた。嬉しいと云っちゃ飲んだ。悲しいと云っちゃ飲んだ。昨日も飲んだ。今日もたった今まで飲んだところだ。明日も明後日も……大方死ぬまで飲むんだろう。今からも亦、お前のお金で飲んで来ようと思うんだ。これでお仕舞い……目出度し目出度しかね。ハハハ。イヤ有り難う。左様なら」
と云ううちに姫の掌の中の十円の金貨を引ったくって、よろよろとよろめいて行った。
姫は大層面白い話だとは思ったが、何しろあんまり短くて張り合いがなかった。だから今度はなるべく長く委しく話してもらおうと思って、酔っ払いのあとから通りかかったお婆さんの傍へ寄って、事情を話して身の上話しを聞かしてくれと頼んだ。
このお婆さんも不思議な風体で、頭は白髪が茫々と乱れているのに、藁で編んだ笠を冠り、身には長い穀物の袋に穴を明けたのに両手と首を通して着ていて、足には片方にスリッパ、片方には膝まで来る長靴を穿いて、一尺ばかりの杖を突張って地面に這い付く程に腰を曲げていた。そうして矢張り最前の酔払いと同じように、美留女姫が出し抜けに奇妙な事を頼んだのに驚いたと見えて、杖につかまって腰を伸ばしながら、霞んだ眼を真ン円にして姫の顔を見ていたが、やがてニヤリ