Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

Lesen Sie 白髪小僧 (しらがこぞう) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.770 Zeichen · 194 Bildschirme

Aozora Bunko

姫はもうすっかり気を落してしまって、迚もこんな塩梅では一生涯面白い珍らしい話を聞く事は出来ないであろう。彼の赤鸚鵡は嘘を吐いたのか知らん。もし本当にこれから一ツも新しいお話を聞く事が出来なければ、もう一生涯何の楽しみも無くなってしまったのだから、死んだ方がいくら良いか知れない。噫、情ない事になった。詰らない事になったと、しくしく泣きながら、街外れの只ある河岸まで来るともなく歩いて来ると、そこに立っている大きな銀杏の樹の根元に腰をかけて、疲れた足を休めようとした。けれどもまだ腰をかけぬ前に姫はその銀杏の樹の根元に思いがけないものを見つけて、忽ち躍り上らんばかりに喜んだ。その時姫が見付けたのがこの白髪小僧と題した不思議なお話の書物であった。

姫はこの書物が、竜のようにうねった銀杏の樹の根本に乗っているのを見つけると直ぐに、この書物こそ自分が今まで一度も見た事のない書物だと思って、思わず駆け寄って手に取ろうとしたが、又ハッと気が付いて立ち止まった。見れば大分古びた書物のようだから、これは屹度誰かがここに置き忘れて行ったものに違いない。して見ればこれを黙って開いて見るのは泥棒と同じ事だと思って、出しかけた手を引っこめた。