Japanische Klassiker mit Furigana
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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
Lesen Sie 白髪小僧 (しらがこぞう) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.770 Zeichen · 194 Bildschirme
けれども女王は騒ぎませんでした。落ち付いて床の上に座ったまま、青眼先生の顔を仰いで話しを続けました――
「御疑いになるのも御尤もで御座います。本当は妾もまだその時の疑いが晴れませぬ。ですからこのように打ち明けてお話しをするので御座います。本当の事を申しますと、妾はあの時貴方にあの毒薬を注ぎかけられて、氷になってしまった方が仕合わせで御座いました。なまじいに生き残ったために、妾は悪魔に魅入られた女になってしまいました。
あの時あの少女が悪魔と呼ばれて眼をさまして、『妾は美紅です。この家の娘です』と叫ぶ間もなく、青眼先生から毒薬を注ぎかけられてたおれました時、妾は自分の身体の血が凍ったように思って、心も身体も一所に消え失せたと思いました。けれども間もなく又ふっと気が付きますと、不思議やその時妾の心は、今までとすっかり違って、世にも恐ろしい女の心と入れかわっておりました。妾はその時から今朝まで、美紅姫でも何でもない――多留美という湖の近くに住む、藻取という者の娘で、美留藻という女――美紅姫と同じように夢の中で美留女姫となって、白髪小僧と一所に銀杏の葉に書いた石神のお話を読んだ女――湖の底に鏡を取りに行ったまま、行衛知れずになった女そのままの美留藻になっておりました。