Japanische Klassiker mit Furigana
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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
Lesen Sie 白髪小僧 (しらがこぞう) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.770 Zeichen · 194 Bildschirme
けれども姫が又急いで次の頁を開いて見ると、今度はいよいよ二人の名前が出鱈目に並べてあるのではなく、この書物には本当に、自分と白髪小僧の身の上に起った事が書いてあるのだという事がわかった。その第三頁目には王冠を戴いた白髪小僧の姿と美事な女王の衣裳を着けた美留女姫が莞爾と笑いながら並んでいる姿が描いてあった。
もう姫はこの書物から、一寸の間も眼を離す事が出来なくなった。すぐに第四枚目を開いてそこに書いてあるお話を次から次へと読んで行くと、疑いもない自分の身の上の事で、姫がお話の好きな事から、身の上話を買いに出かけた事、そうして銀杏の根本でこの書物を見つけたところまで、すっかり詳しく書いてあるものだから、全く夢中になってしまって、これから先どうなる事だろうと、先から先へと頁を繰りながら、家の方へ歩いているうちに、一足宛川岸の石崖の上に近づいて来た。折からそこを通りかかった二三人の人々はこの様子を見て胆を潰し――
「危いッ、お嬢様危い。ソラ落ちる」
と大声揚げて駈け附けた。
併し姫は書物に気を取られていたから人々の叫び声も何も耳に入らなかった。
矢張り平地を歩いているつもりで片足を石垣の外に踏み出すや否や、アッと云う間もなく水煙を立てて落ち込んでドンドン川下へ流れて行った。