Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくしょうやのすけのはなし
百姓弥之助の話
中里 介山
Lesen Sie 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.621 Zeichen · 99 Bildschirme
「百姓先生ではありませんか」
と呼びかけて来た、そこで弥之助も挨拶をすると、その青年教師は弥之助の著書のことから話を切り出して、自分は室町時代の赤松家の後裔の者であるということを名乗って、赤松家の系図などについて立話しながら、要領のある話をしたことを覚えている。
この頃聞くと、その教師が最早上海戦の犠牲となってこの世に亡き数に入ってしまったとの事である。実に信ぜられないほどあっけない思いがした。
弥之助はこの日本の国に生れて今日まで三度出征兵を送り迎えの経験を持っている。
最初の時は明治二十七八年(西暦一八九四)の日清戦争の時で、その時分はまだ弥之助は九歳か十歳であった、それから第二が明治三十七八年(西暦一九〇四)の時で、彼はその時丁度徴兵検査であった。その時分の彼は東京へ出て所謂苦学ということをしていたが、徴兵検査はこの村へ立帰ってこの地の郡役所で受けた。当時の彼は瘠せこけて体量十一貫位であったが、検査の結果は皮膚脆弱というようなことで、乙種の不合格であったと覚えている、然し戦争が長びけばどうなるか知れないというような噂さは聞いていたものである。