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Japanische Klassiker mit Furigana

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すかいさんきこう

皇海山紀行

木暮 理太郎

Lesen Sie 皇海山紀行 (すかいさんきこう) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.720 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

動かずにいると手足がかじかむ程寒い。幸に雪は幾程もなく霽れた。

水のない谷はいつの間にか山ひらに変っていた。下生えがないので歩きよい。黒木の林中は秩父あたりとよく似ている。しかし尾根の頂上近くには大分倒木があった。その中を潜り抜けて皇海山西方の鞍部に辿り着いたのが午後十二時四十分である。眼を上げると奥白根の雪に輝くドームが正面に聳え、左に錫と笠の二山、右に山王帽子、太郎、真名子、男体の諸山が控え、笠と三ヶ峰との間には燧岳の双尖が天を劃している。果して平滝からの道はこの鞍部へ上って、更に東方へ延びている。この道をたどって行けば皇海山の北面にそそり立つ懸崖の下に出られそうであったが、時間が惜しいので自分らは行って見なかった。

切明けは幅九尺以上もあって、鞍部からは皇海山の西峰へ一直線に続いている。急傾斜の上に霜柱が頽れて滑るために、邪魔はないがやはり時間はかかる。わずかに三百米足らずの登りに五十五分を費し、一時三十五分皇海山の西峰に達した。西峰とはいうものの正しくは頂上西端の一隆起に過ぎないのである。黒木が繁っているので眺望はない。切明けは頂上直下で終って、それからは踏まれた路跡がある。