Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうなん

盗難

宮本 百合子

Lesen Sie 盗難 (とうなん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.371 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

「そいじゃあ奥さん、

よく御不事に生きて被居っしゃいましたねえ。

兎に角皆が気分が悪かった。

そして今夜は誰か起きて居なけりゃあいけないと云う事になったけれ共どれもどれも気が向かない。

まして女中などを起して置いたって、自分の方からぶつかっても魔睡剤に掛って仕舞って、泥棒が「此処をあけろあけろ」と怒鳴りでもすると、

「いらっしゃいまし。

と云って開けて遣りそうだと云うので、結局夜光りの朝寝坊の私が夜番をする事になった。

「ああいいともいいとも私が居りゃ泥棒だって敬遠して仕舞うさ。

などと云いながら、少し夜が更けると、皆の暑がるのもかまわず、すっかり戸を閉めて、ガラス戸にはカーテンをすきまない様に引いた。

そして、そこいら中に燈をカンカンつけた中に、小さい鐘を引きつけて、私は大変強そうに、自信あるらしい様子をして夜番を始めた。

勿論、すぐ傍には両親の寝室があり、向うの方では書生がちゃんと起きて居るのだから決して私一人なのじゃあない。

けれ共私は強くなくちゃあならないと思った。

勿論強いんだろうとは思うけれ共、大抵の時には、いつもこわい事の済んで仕舞った頃漸々強さが出て来るので、一度だって強いと思われた事がない。