Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

よしにて、織田家にとってはめでたいものでござりましたけれども、「にんげん五じふねん、げてんのうちをくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり、一度生を得て滅せぬものゝあるべきか」と、ろう/\たるおこえでいまとのさまがおうたいなさるのをきゝますと、そゞろに先君御在世のころのおんことがしのばれ、さだめなき世のうつりかわりになみだがもよおされまして、なみいる勇士のかた/″\もよろいのそでをしぼられたことでござりました。

それより文荷斎どの、一露斎どのが一番ずつおうたいなされ、また若太夫どのゝまいなどがござりましたが、そのほかにもなか/\おたしなみのふかいおかたがいらっしゃいまして、おさかずきのかずのかさなるにつれ、みな/\この世のまいおさめうたいおさめにたっしゃな芸を御披露におよばれ、遊興のかぎりをつくされますので、御酒宴の席は夜がふけるほどにぎやかに相成、いつ果てることかわかりませなんだ。そのうちに一人、「梨花一枝雨を帯びたるよそほひの、雨を帯びたるよそほひの」と、一座のかた/″\がおもわず鳴りをしずめますような美音をはりあげてうたわれました