Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 盲目物語 (もうもくものがたり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.341 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

と仰せられましたが、

「いや、姫よりもそなたはなぜしないのだ」と、ながまさ公がきっとなって仰せられるのでした。おくがたはたゞ「はい/\」と口のうちで仰っしゃるばかりで、なか/\承引なされませぬので、

「あれほど申しきかせたことがなぜ分らぬ。この期におよんで云いつけにそむくつもりか」と、つね/″\おくがたにはおやさしいおかたが、ことさらあら/\しく仰っしゃるのでござりますけれども、

「おぼしめしはかたじけのうござりますが」

と、かたくけっしんをあそばして、座を立とうとはなさりませなんだ。そのときながまさ公はだいおんをおあげになって、

「やあ、その方おんなのみちを忘れたか。わがなきあとの菩提をとぶらい、子どものせいじんをみとゞけるこそ、つまたるものゝ勤めではないか。そこの道理がわからぬようではみらいえいごう妻とはおもわぬ、夫とも思ってもらわぬぞ」

と、するどくお叱りになりました。そのおこえがひろまのすみ/″\へりん/\とひゞきわたりましたので、いちどうはっといたしまして、どうなることかといきをころしておりますと、しばらくなんのものおともござりませなんだが、やがてさや/\と畳のうえにお召しものゝすれるけはいがいたしました