Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まひるのおばけ

真昼のお化け

小川 未明

Lesen Sie 真昼のお化け (まひるのおばけ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 7.904 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

空を見ていた目を地面へ移すと、なんだろう? 黒光りのする、とげとげしたものが、ゆく先の草の上に落ちているのでした。

「虫かしらん?」

光一は、すぐに、それが生きもののように感じました。なんだか気味の悪いものです。しかし動きません。用心深く、目をこらして近づくと、長い足があって、二つの目が光っています。かぶとむしではない、むかででもない、えびのようであるが……まだ見たことのない虫としか思われませんでした。

「なんだろうな?」と、彼は、もっと近づいてよく見ると、長いひげがあって、それはまちがいなく、えびでありました。

「えびだ、大きなえびだ!」

不思議でたまりません。こんな草の上に落ちているのに、いま水の中から、はね出したばかりのように、黒色の甲らがぬれているなどであります。彼は、ちょっと、それを拾い上げるのにためらいました。が、えびであることがわかると、しぜんに勇気が出て、手に取り上げたのです。

なるほど、勇ちゃんのいったように、長い足と平たい足とがあって、どこも傷がついていませんでした。

水の中へ入れたら、生き返るかもしれぬと、光一は思ったので、なるべく強く握らないようにして、急いだのでありました。