Japanische Klassiker mit Furigana
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いしころみち
石ころ路
田畑 修一郎
Lesen Sie 石ころ路 (いしころみち) von 田畑 修一郎 (たばたしゅういちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.254 Zeichen · 39 Bildschirme
ものになり、最後には自分の肉体感まで失われたこと、そして何より悪いことにはこれらの種々の混乱がその微細な点から全体にいたるまでいちいち明瞭きわまること、それはかつて健康であったときに感じていた明瞭さとは全然性質を異にした、そいつに見舞われるといきなり叫び声を上げずにはいられないような、そんな明瞭さであった。
僕はすっかり疲れて、これから先き自分がどうなるだろうということさえ考える力を失っていた。僕はただ待っていた。何かやってくるだろうと。それが何だろうと、今までしかたがなかったと同じように、そいつに身を任かせるよりない。
新しい場所に移ってから天気は徐々に定まった。毎日温かい日がつづいた。もうどこを見てもいっぱいの若葉だった。僕のいるところは原地農場という、牛を七八頭飼っていて、バタをつくっている。家の前面は広い耕地だ。耕地全体をとりまくようにして、家の裏から左手へ、それからずっと前方までゆるやかな傾斜面が盛り上っているが、そこらじゅうの榛の木の若葉は何という美しい奴だろう。日に輝き、揺れ、絶えず小さいさやぐ音をたてている。それは何かしら僕の心を吸いこんでしまうやつだ。