Japanische Klassiker mit Furigana
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いしべいゆうれい
石塀幽霊
大阪 圭吉
Lesen Sie 石塀幽霊 (いしべいゆうれい) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.907 Zeichen · 26 Bildschirme
そして蜂須賀巡査の顔を見ると、
「また何か起ったんですか?」
「いや、なんでもありませんが、一寸貴方に訊き度い事があるんです。済みませんが、一寸そこまで」
そう云ってもう歩き出した。
「いったい何です?」
雄太郎君は蜂須賀巡査の後に従いながら、急きこんで尋ねた。けれども蜂須賀巡査は、そのままものも云わずに歩き続け、やがて秋森家の表門の前まで来て鋪道の上の先刻の処に立停ると、振返っていきなり云った。
「いま、私達の立っている処が、現場、つまり被害者の倒れていた処でしょう?」
雄太郎君は、この突飛もない判りきった質問に思わずギョッとなった。そして顫えながら大きく頷くと、蜂須賀巡査は、今度は探るような眼頭で雄太郎君を見詰めながら、
「僕は、君を、真面目な証人として信じているが、君はあの時確かに、アパートの前のポストのすぐ側に立っていて、此処に被害者の倒れていたのを見たと云ったね?」
「そうです」雄太郎君は思わず急きこんで、「嘘と思われるなら、郵便屋にも訊いて下さい」
「ふん、成る程。すると、此処から向うを見れば、鋪道の縁に立っているそのポストは、当然見えなければならない筈だね?……どうです。