Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ

石川啄木集(下)

石川 啄木

Lesen Sie 石川啄木集(下) (いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ) von 石川 啄木 (いしかわたくぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.069 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

B そうすると歌の前途はなかなか多望なことになるなあ。

A 人は歌の形は小さくて不便だというが、おれは小さいから却って便利だと思っている。そうじゃないか。人は誰でも、その時が過ぎてしまえば間もなく忘れるような、乃至は長く忘れずにいるにしても、それを言い出すには余り接穂がなくてとうとう一生言い出さずにしまうというような、内から外からの数限りなき感じを、後から後からと常に経験している。多くの人はそれを軽蔑している。軽蔑しないまでも殆ど無関心にエスケープしている。しかしいのちを愛する者はそれを軽蔑することが出来ない。

B 待てよ。ああそうか。一分は六十秒なりの論法だね。

A そうさ。一生に二度とは帰って来ないいのちの一秒だ。おれはその一秒がいとしい。ただ逃がしてやりたくない。それを現すには、形が小さくて、手間暇のいらない歌が一番便利なのだ。実際便利だからね。歌という詩形を持ってるということは、我々日本人の少ししか持たない幸福のうちの一つだよ。(間)おれはいのちを愛するから歌を作る。おれ自身が何よりも可愛いから歌を作る。(間)しかしその歌も滅亡する。理窟からでなく内部から滅亡する。