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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ

石川啄木集(下)

石川 啄木

Lesen Sie 石川啄木集(下) (いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ) von 石川 啄木 (いしかわたくぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.069 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

『お産をすると同じだね』

『その俳優というのが又素的だ。火星の人間は、一体僕等より足が小くて胸が高くて、そして頭が無暗に大きいんだが、その中でも最も足が小くて最も胸が高くて、最も頭の大きい奴が第一流の俳優になる。だから君、火星のアアビングや団十郎は、ニコライの会堂の円天蓋よりも大きい位な烏帽子を冠ってるよ』

『驚いた』

『驚くだろう?』

『君の法螺にさ』

『法螺じゃない、真実の事だ。少くとも夢の中の事実だ。それで君、ニコライの会堂の屋根を冠った俳優が、何十億の看客を導いて花道から案内して行くんだ』

『花道から看客を案内するのか?』

『そうだ。其処が地球と違ってるね』

『其処ばかりじゃない』

『どうせ違ってるさ。それでね、僕も看客の一人になってその花道を行ったとし給え。そして、並んで歩いてる人から望遠鏡を借りて前の方を見たんだがね、二十里も前の方にニコライの屋根の尖端が三つばかり見えたよ』

『アッハハハ』

『行っても、行っても、青い壁だ。行っても、行っても、青い壁だ。何処まで行っても青い壁だ。君、何処まで行ったって矢張青い壁だよ』

『舞台を見ないうちに夜が明けるだろう?』