Japanische Klassiker mit Furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lesen Sie 石狩川 (いしかりがわ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 253.535 Zeichen · 506 Bildschirme
だから、筏を解いてからの暫らくは、日向の河岸に並べて天日にさらすことが必要であった。涸れない材木はほぞがあまくなり、ひ割れをひき起すのであったから。
川に浮んでいたときはあんなに小さく、扁平に見えた木材が、陸にあげられてこんな風に目の前に並ぶと、向う側の男の胴体もかくれるほど巨きかった。木挽らはそれを挺子棒でかつぎ起した。叉を組んだりゴロの上を転がしたり、彼らの咽喉は重さに耐えてうなるのであった。泥が擦りあらされ、おが屑の山がおしひろげられ、木材は巨大な虫が這いずるようにずるずると小屋に運ばれて行った。その瞬間小屋のなかはまッ暗であった。木屑のにおいがうむれて、つんと、あま酸ッぱく鼻にぬけた。
胴びろの鋸が木口から噛みついて行って、ざっくん、ざっくんと、眠いような音を立てた。近くでは鉋のすべる音が交錯していた。たんたん、のみを打ちこむ槌の音。ぴしりとたたきつける墨壺のはりきった糸。
それらのざわめきも今はなかった。下小屋の連中はその持場を出だして棟木を待つだけになった柱組みを取りまいた。仕上げた自分の仕事をしみじみと眺めてみたいのだ。そして、間もなく祝われる上棟式を、満ち足りたしずかな心で迎えようと思うのであった。