Japanische Klassiker mit Furigana
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さとうどろぼう
砂糖泥棒
黒島 伝治
Lesen Sie 砂糖泥棒 (さとうどろぼう) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.108 Zeichen · 9 Bildschirme
」
「嬉し、嬉し、うち、金ン比羅参りに連れて行て貰うて、鶴を見て来る。鶴を見て来る。」せつは、畳の上をぴんぴんはねまわって、母の膝下へざれつきに行った。与助は、にこにこしながらそれを見ていた。
「そんなにすな、うるさい。」まだその時は妊娠中だった妻は、けだるそうにして、子供たちをうるさがった。
暫らくたって、主人は、与助が帰ったかどうかを見るために、醸造場の方へやって来た。主人を見ると、与助は、積金だけは、下げて呉れるように、折入って頼んだ。
主人は、顔色を動かさずに、重々しく
「何で暇を取らすか、それゃ、お前の身に覚えがある筈じゃ。」と云った。
与助は、ぴり/\両足を顫わした。
「じゃが、」と主人は言葉を切って、「俺は、それを詮議立てせずに、暇を取らせようとするんじゃ。それに、不服があるなら、今すぐ警察へ突き出す。」
急に与助は、おど/\しだした。
「いゝえ、もう積金も何もえいせに、その警察へ何するんだけは怺えておくんなされ!」
「いや、怺えることはならん!」
「いゝえ、どうぞ、その、警察へ何するんだけは怺えておくんなされ!」与助は頭を下げこんだ。――
とうとう、彼は、空手で、命から/″\の思いをしながら帰った。