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Japanische Klassiker mit Furigana

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へきぎょくのわかざり

碧玉の環飾

田中 貢太郎

Lesen Sie 碧玉の環飾 (へきぎょくのわかざり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.545 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

と、言ったが老僧にはその意味も解らなかった。

その時、庭前の樹木へ数十疋の猿が来て啼きだした。それを見ると袁氏は非常に哀しいような顔をしはじめた。そして、筆を借りてそこの壁に詩を題し、終ると傍にいる二人の小供を抱き締めるようにしてさめざめと泣いていたが、やがて孫恪の方を向いて、

「これから永のお別れをします」

と言って、着ていた着物を引裂いて投げ出したのを見ると、赭顔円目の一大老猿であった。それを見た皆が驚いているうちに、老猿は庭前の大木の上に飛びあがって、夫や小供の方を見て啼いていたが、まもなく欝蒼なる緑樹の中に姿を消した。孫恪は二人の小供と抱き合って泣き悲んだ。

その後で孫恪は老僧に向って、

「何かこれに就いて、思い当る事はないか」

と問うた。老僧は頻りに昔の事を追思した末に、

「愚僧がまだ沙弥であったころ、一疋の雌猿を養うていたが、某日、玄宗皇帝の勅使高力士がこの寺へ来て、その猿の敏捷なのを見て、絹を代りに置いて猿を携え往き、それを玄宗に奉ったところが、玄宗もまたその猿を非常に愛して上陽宮に養わしてあるうちに、安禄山の乱が起って、猿の行方も解らなくなったと聞いていたが、今能く能く思い出してみると、この環飾は常にかの猿の首に嵌めていた物だ」