Japanische Klassiker mit Furigana
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かんだかいわい
神田界隈
楠山 正雄
Lesen Sie 神田界隈 (かんだかいわい) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.100 Zeichen · 10 Bildschirme
そうはいっても、むろん、今の神田はむかしの神田ではない。冨山房前を今川小路にぬける通りが、ふしぎにむかしとさしてちがわない町幅のままで、今もあるほかは、どこもここも路面がとり拡げられて、あれほど多かった小路や新道がほとんど跡も知れなくなった。お茶の水から九段へぬける長い通りなど、四、五間の幅にも足りない狭さで、両側の古本屋の店先きを、右から左へ縫うようにしてひやかしてあるいたものであったが、今は明大横の、ほんの半町ほどの商店街に、わずかに狭かったその頃の通りの名残りをとどめているにすぎない。さしも目白押しに両側に軒をならべた古本屋が、ほとんど南の片側にばかり集まってしまって、昼時すぎて、学生大群がさっと引上げてしまったあと、いたずらにだだっ広い路面の上を、あまり客ののっていない電車と、から円タクが閑散らしく走っているのが、立派にはなったが、昔にくらべて何となく空しい感じのする、今の学生街の午後風景である。
町の地形が変るより以上に住む人も変ったが、でも長い年月の試練にのこって今も栄えている店は、さすがにどこも大きく変った。冨山房のある神保町の通りだけでいっても、平べったい木造二階建の瓦屋の、古風な千本格子の窓下に、べたべたと机を畳にならべて仕事をしていた冨山房が、七階の美しい大ビルディングになったのを