Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
だが間もなく人影が、ポッツリ丘の上へ現われた。館の方を見ているらしい。と、丘を馳せ下った。
月に曝された顔を見れば、他ならぬ一式小一郎であった。
「確かにここへはいった筈だ」
土塀に沿って小一郎は、館の周囲を廻わり出した。
「うむここに裏門がある」
そっと裏門を押してみたが、ゆるごうとさえしなかった。で、またそろそろと歩き出した。やがて表門の前へ出た。押してみたがやっぱりゆるぎさえしない。でまたそろそろと歩き出した。もうどこにも出入口はない。
「さてこれからどうしたものだ?」土塀に体をもたせかけ、一式小一郎は考え込んだ。
「桔梗様をさらった駕籠の姿を、やっと神奈川の宿外で目付け、後を追っかけてここまでは来たが、こんな不思議な建物の中へ、引き込まれようとは思わなかった。いったいどういう建物なんだろう?」
だが酷く胸が苦しかった。非常に息切れがするのである。走りつづけて来たからである。
「休もう、万事はそれからだ」
地面へ坐って胡座を組み、小一郎は心を押し静めた。
「いやこうしてはいられない」小一郎はにわかに立ち上がった。
「どんな危険が桔梗様の上に、ふりかかっていないものでもない。