Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
とにかく水陸呼応して、奇怪な尼僧の一団が、月の明るい更けた夜を、走り走って行くのである。
ここは芹沢の郷である。七福神組の怪盗七人が、一ツ橋勢に遮られた。
ドッとあがったは喊声である。一ツ橋家の武士どもが、同音にあげた喊声である。と、同時にキラキラと、月にきらめくものがあった。彼らの構えた太刀である。
グ――ッと一列に押し列び、来い! 通さぬ! と構えたのである。
「先廻わりをされたよ、残念だねえ! しかしナーニびくつくものか!」こう云ったのは松代である。
「さあさあみんないつもの手だ! 卍廻わりに押し廻わり、突き破って行こう、切り抜けて行こう!」
「合点」と云ったのは六人の部下で、で、グルグルと廻わり出した。
卍廻わりとは何んだろう? 彼ら独特の戦術なのであった。手組輿の上へ桔梗様を乗せ、群像のように塊まった。七福神組六人が、塊まったままで廻わるのであった。まず左へグルグルと廻わる。それから右へグルグルと廻わる。それからまたも左へ廻わり、それからまたも右へ廻わる。これを無限に繰り返すのである。そうしてそのように廻わりながら、先へ先へと進むのである。