Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

君江には自信があるようである。「妾の心が変わりませんもの」

「そういう私の心持ちも、昔と変わっていませんので。と云うのは昔から今日が日まで、あの桔梗様を心から、愛しているのでございますよ」

「それを知らないでどうしましょう。妾は以前から知っておりました」

「ええとところで桔梗様の方でも、私を愛しておりますので」

「それもあなたから一再ならず、承わった筈でございますよ」

「で、桔梗様が目付かったとすると、どういう結果になりましょう」

「どういう結果になりましょうとも、妾には関係ございません」本当に関係がなさそうに、君江の調子には変わりがなかった。「この妾といたしましては、あなたを愛しておりますので、ただそれだけでございますよ」

「しかし」と小一郎はやや物鬱く、「競争になるかも知れませんなあ」

「いずれは競争になりましょう」やっぱり君江は変わらないのである。「あなたを取り合って二人の女が、競争することでございましょう」他人事のような調子である。

「さあどっちが勝ちますやら」かえって小一郎の方が不安そうである。

「はい、妾が勝ちますとも」

「随分自信がありますようで」今度は小一郎は可笑しくなった。