Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

こう呼び捨てると集五郎は、小一郎の後を追っかけて、一散に小山を馳せ下った。

そう呼びかけられて一ツ橋勢が、動揺したのは当然と云えよう。

華子の乗った山駕籠を、真ん中に包むと三十余人、同じく谷の方へ走り出したが、もうこの頃には一式小一郎は、谷の斜面の大岩の蔭に、君江と一緒に隠れていた。

四十九

「切り合いをするは容易いが、他に大事な目的がある。敵は大勢こっちは一人だ。お前は女で用に立たぬ、怪我でもしては大変である。ああは大言は払ったもののうまく危難を遁がれたいものだ」

いささか心配だというように、小声で小一郎は話しかけた。

「思い付いたことがござます」こう云ったのは君江である。「鹿毛を放すことにいたしましょう」

「ああ馬をか? ふうん、何故な」

「ごらんの通り木が繁って、谷間は暗うございます。しかもその木は大木ばかりで、馬が走って行きましても、恐らく姿は見えますまい」

「うむ、そうだな、それは見えまい」

「蹄の音は聞こえましょう」

「おおなるほど、それで解った。馬を走らせて蹄の音を聞かせ、一ツ橋家の武士どもを、迷わせようというのだな?」

「うまく行こうではございませんか」