Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
こう云ったは桔梗様で、いくらか不安そうな様子である。
だが覗いていた眼の主は、すぐに姿を消してしまった。コツンコツンと音がする。松葉杖の音である。覗いていたのは吉次らしい。花壇を巡って立ち去ったらしい。
そこで小一郎と桔梗様とは、大池の方へ歩き出した。
「あの大水には驚きました。幸いに岩蔭におりましたので、私は流されはしませんでしたが、他の連中は一人残らず、流されたことでございましょう」小一郎は笑止らしく云ったものである。
「しかし私も実際のところ、したたか水を飲ませられ、かなりひどい目には合わされましたよ」
「お気の毒でございましたこと」桔梗様は美しく笑ったが、「ご縁があったのでございましょうよ、何んとなく妾心配になり、平素にもなく召使いどもを連れて、あの大岩まで行って見ましたところ、綺麗な若いお侍様が――あなたのことでございますよ――気絶しておいで遊ばすので、すぐお助け致しましたものの、父は不機嫌でございました」
「あなたのお父上昆虫館ご主人、ちと変人でございますな。アッハッハッ」と笑ったが、「学者にあり勝ちの憎人主義者のようで。……それはそうとあの大水、人工だそうでございますな?」