Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
「はたしてこいつ奸物だわい」見抜いた一式小一郎は、グンと突っ刎ねたものである。「恋も捨てぬよ、この地へも止どまる、アッハッハッ、気の毒だなア」
「きっとか!」と吉次は、いよいよ益※(二の字点、1-2-22)、片足へ全身をもたせかけたが、心持ち両肩を縮めると、首を突き出し、上眼を使い、狙ったは小一郎の頤の辺。「見損なうなよ、この吉次を!」
「見損なうなよ、一式小一郎を」
とたんに、「うん!」という凄い呻きが、吉次の口から迸しったが、瞬間ピューッと空を裂き、刎ね上がったは松葉杖で、ピカッと光ったは杖の先に、取り付けてある鋼鉄の環、それとて尋常なものではない、無数の鋭い金属性の棘で、鎧われたところの環である。意外な利器、素晴らしい手並み、しかも呼吸の辛辣さ、武道以外の神妙の武道!
「あっ」と叫んだは小一郎で、微塵に下頤を叩っ壊され、上下の歯を吹き飛ばし、舌を噛み切り血嘔吐を吐き、グ――ッ背後態にへたばったなら、ヤクザな武士と云わなければならない。何んの小一郎が、そんな武士なものか、「あっ」と叫んだ一刹那、大略二間背後の方へ、束に飛び返っていたのである。
柄へ片手はかけたものの、抜こうともせず悠然と、吉次の様子を眺めやった。