Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme
が、貴殿へは渡されぬよ」
「ウフッ、なるほど、恋敵だからで」
「その恋敵で思い出した。これ南部氏、集五郎氏、小梅田圃で耳にした、例の美しい声の主に、拙者面会致してな、恋の告白をしたところ、早速承知というところで、お手を下されたというものだ。うらやましかろうがな、いかがのもので」――こん畜生め! というような調子、そいつで小一郎はまくし立てた。
こいつを聞くと集五郎は「ううむ」と唸ったがその唸り、さすがに気色が悪そうであった。「そうさどっちみち昆虫館へ入り込み、永生の蝶を盗み出した貴殿だ、乙女の恋も盗んだでござろう」
「無礼な!」と小一郎は一喝した。「盗みはせぬよ、永生の蝶を、手に入れたのだ、偶然にな!」
「さようか」と集五郎は毒々しい。「まあまあそいつはどうでもよい。そうともそいつはどうでもよい。とまれ貴殿永生の蝶を、持っているのは事実だからの。でこっちへふんだくる、それだけで当方用はない。そこでちょっくら聞きたいは、たった今貴殿ご自慢の、美しいお声の主との恋、首尾よく成就しましたかな? 云い換えるとご婚礼しましたかな?」
「ナニ婚礼!」と小一郎、これにはギョッとしてつまずいたが、「うむ、婚礼か、いや未だ」