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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせんぜんじのことども

禅堂生活

鈴木 大拙

Lesen Sie 禅堂生活 (こうせんぜんじのことども) von 鈴木 大拙 (すずきだいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.634 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

あの時は老師は余程疲れて居られた、会談中は別に気もつかなかったが、後からの容体は大分悪いと予は窃に心配したほどであった。翌朝信州へ行くといって御出たが、どうかと思うた。後から聞けば、近侍の人はこの行を断然お止めになるように勧めて、松ヶ岡へ帰ることにせられたと云うのである。もしあの時そうしなかったら、老師は信州で不帰の客となられたかも知れぬ。

老師はよく云われた、「人は病後を大事にせよと云うけれど、そう云う後から何処へ来て講演してくれとか、説法してくれとか云う。そう云わるれば否と云うわけに行かぬ。愈出かけて行けば、生半可な好加減なことが出来ぬ、力の出せるだけ出す、結果のよしあしなど考えて居られぬ」と。人間もこうなると中々六箇敷い、何もかも止むを得ぬと云うのが当然なのであろう。老師も動かずにじっとして居られたら、もっと長き命はあったに相違ない。併し四囲の事情はこれを許さなかった、また老師の性格も只生きのびるためにとて鎌倉に隠栖することを許さなかった。内外の勢で六十一歳はその寿命となった。吾々の方から見れば、もう十年生きて居られたならなどと思うことが屡ある。