Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせんぜんじのことども
禅堂生活
鈴木 大拙
Lesen Sie 禅堂生活 (こうせんぜんじのことども) von 鈴木 大拙 (すずきだいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.634 Zeichen · 57 Bildschirme
隻手の声は聞えなかったけれども、老師の身説法の幾分かを獲たかのように覚え、今に謝恩の心もあるのである。
洪川老師の提唱を今でも覚えておるのは、『碧巌』の第四十二則で「好雪片片」の一則である。今日この頃でも何もわからぬのであるが、その頃は尚お以て一文不通のときであるから、老師が講座の台上で、独りで感心して、「好雪片片不落別処、好雪とはどうじゃ」などとやられるのを聞いて、予は禅と云うものは妙なものだなと思うておった。「雪団打、雪団打、老の機関没可把」などに至りては、さっぱりわからず、これが隻手の声と何の関係があるのかと思い、また何時になったならこれがわかるのか知らんなど、その当時の考えは今に新たな思いがする。併し提唱がわからぬながらに、どうかしてこれを分明にしたいとの念は確乎として起きた。この念は今でも依然として存しておる。皆老師の賜であると云わねばならぬ。
老師の亡くなられたのは一月の何日やらであったが、丁度冬休みの続きで、尚お暫らく当庵に逗留しておった。その朝ふと隠寮へ行って侍者寮におると、奥でどさりと音がした。侍者と一緒に驚いて行って見ると、老師は仏間から平生の例の狭い室に行かんとする処で倒れておられた。