Japanische Klassiker mit Furigana
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わたくしたちのけんせつ
私たちの建設
宮本 百合子
Lesen Sie 私たちの建設 (わたくしたちのけんせつ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.430 Zeichen · 107 Bildschirme
と、さながら人民に現在の社会悪の責任があるかのような口振りである。けれども、静かに思いめぐらした時、これらの復員軍人が秩序を紊す行動をする、その奥の奥の原因は果して何処にあるだろうか。この間、元特攻隊員が中心となって集団的な強盗をし、検挙された記事があった。そのとき、不幸な元特攻隊員が「俺達に義理も人情もあるもんか」と、押入った先で啖呵を切ったことが書いてあった。この言葉は短い。けれども、一個の人間として深い絶望のこころを示している。
前線から帰った人から、最後まで残ったのは兵士であって、指揮官は飛行機で疾うの昔に引揚げてしまっていたという話を、戦争が終ってからは屡々聞くようになった。そういうことは、この間までみんな秘密にされて来た。「戦陣訓」を書いた人物は、細君を離婚してまで、総理大臣として戦争犯罪者として掻き集めた財産を護ろうとした。軍人勅諭を日毎夜毎暗誦させて、それが出来ないとビンタを食わしていた将校たちは、遠い島々で、戦局が絶望になるとさまざまの口実をこしらえて飛行機で本国に逃げ帰った。そして戦功によって立身をした。「聖戦」といわれた戦争の本質は終って見れば虚偽の侵略戦争であった。