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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのようきゅうするたんていしょうせつ

私の要求する探偵小説

平林 初之輔

Lesen Sie 私の要求する探偵小説 (わたしのようきゅうするたんていしょうせつ) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.673 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで私は、これまでに読んだもののぼんやりした印象から、私一個のすきごのみに従って、どういう作品が好きかという探偵小説に対する注文をしてみることにする。もちろんこれは私一個の私見であって、探偵小説はすべてこうでなければならぬなどというのではない。ただ私だけが、こういう条件をそなえている作品が探偵小説の上乗のものだと考えるその条件をならべてみるまでである。

第一の条件は取り扱っている事件が有り得る事件であり、犯罪や探偵の方法が実行し得るものであるということである。日本で有名になっているアルセーヌ・ルパンなどはこの条件から見ると上乗のものとは言えぬと思う。ドイツ皇帝がルパンに面会に来たり、ルパンが一人で同時に三人に変装していたりするのは、痛快には痛快だが、それ以上に現実味を損するという欠点がともなう。一体にやたらに変装して神出奇没するのは不自然な感じを与えて私などの年輩の読者には興味が余程そがれる。

第二に探偵の方法が科学的である必要がある。あまりに眼にもとまらぬような直覚的探偵法は読者の好奇心をじゅうぶん納得させるかわりに混乱させてしまう。ある程度まで読者に探偵と一緒になって探偵させるくらいでなくてはいけない。