Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしはいんきょではない
私は隠居ではない
吉田 茂
Lesen Sie 私は隠居ではない (わたしはいんきょではない) von 吉田 茂 (よしだしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.313 Zeichen · 13 Bildschirme
それが今日の吉田財閥の基をなしているんです。呵々。
吉田の家は福井藩士でね、私を養子にした時に殿様のところへ私を引き合わせに行った。引き合わすと云っても、向うは一間隔てた部屋の床の間にいるのに、遥かこっちで平伏でもないが、坐っているわけなんです。一遍で参っちゃって、その後行きませんでしたよ。呵々。先年亡くなられた松平康昌さんの御先代ですよ。松平さんが式部官長かの時、陛下のお使いで見えたことがありましてね。
「部屋一つ隔てなくていいんですか」
ってからかったら、困っておられたが、立派な方でしたよ。
いい人は皆な早く死にますよ。呵々。
私は趣味なんてものの全くないいわゆる無芸大食でね、もっとも、大食も芸の内というのなら話は別だが……。食い物は何が好きだとよく聞かれますがね、旨いものが好きですよ。シナ料理というものは実は食ったことが無いんでね、旨いもんだそうですね。以前にシナに在勤していた頃、公館のそばに料理屋があってね、そこの材料に蠅がうんとたかっているのを見ていやになったんです。ローマでも、スパゲッティに蠅がうんとたかっているのを見ましたがね、こっちの方は好きでよく食うんです。