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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

押送の将が、幕府へ出て、直義へ告げた日の報告によると。

新田義貞は、さすが北国では、自分に悔いなき戦いをして、金ヶ崎、杣山の二城を根拠に、めざましい経略、また奮戦をみせたという。

けれど、高ノ師泰の加勢が寄手に着いてからは、さしも破綻をあらわして、ついに敗れたものだとある。

この戦いで、新田党の雄、瓜生保は戦死し、義貞の子義顕も、尊良親王も、大勢の味方と共に自刃するなど、いかに苛烈な抗戦であったかは、あとになって、城砦に入ってみると、死馬の骨が山とつんであったのでも分った。籠城の将兵はみな、馬を食っていたのである。

「して、義貞は?」

「まだよくわかりません」

「討ち洩らしたか」

「さあ、そこは?」

直義は、次の報を、待ちかねた。するとまもなく、尾張守高経が、新田党の首級二百余コをたずさえて、帰洛した。しかしそのたくさんな首を実検して行っても、義貞の首はなかった。脇屋義助の首も、洞院ノ実世の首も、なかった。

直義はいまいましげに、実検を終ると言った。

「すべて二日の間、三条河原へ梟けならべろ」

町の者は、もう見あきている。驚くべきことにも驚けなくなった非情な唇をそらし合って、つぶやいた。