Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「師直師泰の一命は保障する。出家遁世の条件のもとに――と。それがこの尊氏と直義との間に結ばれた協定の一つではなかったか。――しかるに、能憲はわしとそちとの和睦に先だつ約束をまず第一に破ッた。そちがこれを不問にしておくのさえ心得がたい。あらぬ取沙汰がいつまで根を絶たぬのも道理。ここは賢明にその処理をとらぬと、すべてが嘘の始まりになる」

「よく考えておきましょう」

「む、考えてくれい」

西方寺の花見は味気ない散会をつげて昏れた。もちろん扈従の臣や公卿などはけっこうはしゃいでひきあげたが、なんといっても尊氏、直義、義詮の心から溶けきれない容子は、衆目にも映って、その一抹な危惧は、夕霞と共に都の内まで尾を曳いて行った。

まもなく。

上杉能憲は流刑になった。同時に、直義の厳命で、師直師泰の余党検挙が、各地の国元や洛内でその日から開始された。

すると、そのまた反動だろうか。

覆面の刺客なる者がやたらに跳梁し出してきた。一、二をいえば、直義が院参の帰り道を襲撃され、直義は難もなかったが、随身のひとりが斬られた。

桃井直常も同様な目にあった。彼は直義の邸を訪問して深夜を帰る途中だった。