Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme
五輪、白骨まで掘りちらされ、惨状、目もあてられぬ暴状と聞いたからである。
「なに、おれを恨んでいるというのか」
師泰はかえって怒った。「しょッ曳いて来い」と郎党をやったのである。すると郎党どもは、在登が命に応じなかったといって、在登を首にして帰って来た。
また、同じ工事場でのこと。
真夏のさかり、四条大納言隆蔭の青侍が二人、近くを通りかけて、木蔭から炎天下の土木の工を見ていたが、つい実感に余ってか、しゃべりしゃべり立ち去りかけた。
「やれやれ、下人どももかわいそうに。ああ無慈悲なムチに追い使われてはたまるまい」
「思いやりのカケラも武士にはないのだ。公卿の世なら何ぼなんでも、あんな苦役はさせておくまいて」
すると、これを小耳にした工事奉行が大いに立腹して、その青侍二人を部下につかまえさせて衣服をぬがせ、代りに人夫の仕事着物をムリにきせて、
「さあ、働け。きさまらに思いやりがあるなら、人夫に手伝って、思いやりを見せてやれ」
と、終日、土かつぎや石運びにこき使って、たそがれ、追ッ放して帰したという。
さらにこんなこともある。
天王寺の常明燈御料の田を、師泰は自己の領に加えてしまった。