Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あきふかき

秋深き

織田 作之助

Lesen Sie 秋深き (あきふかき) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.176 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

男はぶつぶつした声でなだめていた。しまいには男も半泣きの声になった。女はヒステリックになにごとか叫んでいた。

夕闇が私の部屋に流れ込んで来た。いきなり男の歌声がした。他愛もない流行歌だった。下手糞なので、あきれていると、女の歌声もまじり出した。私はますますあきれた。そこへ夕飯がはこばれて来た。

電燈をつけて、給仕なしの夕飯をぽつねんと食べていると、ふと昨夜の蜘蛛が眼にはいった。今日も同じ襖の上に蠢いているのだった。

翌朝、散歩していると、いきなり背後から呼びとめられた。

振り向くと隣室の女がひとりで大股にやって来るのだった。近づいた途端、妙に熱っぽい体臭がぷんと匂った。

「お散歩ですの?」

女はひそめた声で訊いた。そして私の返事を待たず、

「御一緒に歩けしません?」

迷惑に思ったが、まさか断るわけにはいかなかった。

並んで歩きだすと、女は、あの男をどう思うかといきなり訊ねた。

「どう思うって、べつに……。そんなことは……」

答えようもなかったし、また、答えたくもなかった。自分の恋人や、夫についての感想をひとに求める女ほど、私にとってきらいなものはまたと無いのである。