Japanische Klassiker mit Furigana
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あきぞらはれて
秋空晴れて
吉田 甲子太郎
Lesen Sie 秋空晴れて (あきぞらはれて) von 吉田 甲子太郎 (よしだきねたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.291 Zeichen · 19 Bildschirme
何人かの職人たちが一度にどっと監督のまわりへ駈け寄ったが、先頭に立っていたのは一男だった。彼はあっという間に、もう、さっきまでいた七階の板張の床の上に監督と並んで立っていた。
監督の眼を追って、頭の上を見上げた一男の顔からも血の気が消えた。
十五メートルもあろうかと思われる、途方もなく大きな鉄の梁が、起重機から、わずかに一本の鎖で危く斜に支えられて、ふらりふらりとさがっているのだ。どうした間違いか、もう一本の吊鎖が外れたのだ。その拍子に、人夫たちのたぐり寄せていた引綱も、彼等の手からぐいっと持ってゆかれて、すべり落ちてしまったのだ。平均を失ったその鉄の梁は、今にもずるずると滑って、骨組だけの八階建のその大建築を、てっぺんからぶち抜いて、がらがらと落ちて行きそうだった。
早くなんとかしなければ――だが、その時一男少年は思わずぐっと唾をのみ込んだ。彼は一人の職工が一番高い梁の上にまたがったまま、ぐったりとうつぶしているのを見つけ出したのだ。外れた鎖のさきが、大きく揺れる時彼の頭を撃ったものに相違ない。彼は明らかに気を失っている。その上、彼が跨がっている梁の片端は、さし込んであった支柱からぐいと外れている。