Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅうふうき
秋風記
Lesen Sie 秋風記 (しゅうふうき) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.011 Zeichen · 17 Bildschirme
「Kは、僕を憎んでいる。僕の八方美人を憎んでいる。ああ、わかった。Kは、僕の強さを信じている。僕の才を買いかぶっている。そうして、僕の努力を、ひとしれぬ馬鹿な努力を、ごぞんじないのだ。らっきょうの皮を、むいてむいて、しんまでむいて、何もない。きっとある、何かある、それを信じて、また、べつの、らっきょうの皮を、むいて、むいて、何もない、この猿のかなしみ、わかる? ゆきあたりばったりの万人を、ことごとく愛しているということは、誰をも、愛していないということだ。」
Kは、私の袖をひく。私の声は、人並はずれて高いのである。
私は、笑いながら、「ここにも、僕の宿命がある。」
湯河原。下車。
「何もない、ということ、嘘だわ。」Kは宿のどてらに着換えながら、そう言った。「この、どてらの柄は、この青い縞は、こんなに美しいじゃないの?」
「ああ、」私は、疲れていた。「さっきの、らっきょうの話?」
「ええ、」Kは、着換えて、私のすぐ傍にひっそり坐った。「あなたは、現在を信じない。いまの、この、刹那を信じることできる?」
Kは少女のように無心に笑って、私の顔を覗き込む。
「刹那は、誰の罪でもない。