Japanische Klassiker mit Furigana
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かがくしゃとよみせしょうにん
科学者と夜店商人
海野 十三
Lesen Sie 科学者と夜店商人 (かがくしゃとよみせしょうにん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.858 Zeichen · 8 Bildschirme
更に更に偉大なる研究のフィールドがこれを緒としてひらけて来るであろうと思った。こうなれば冑を脱いで彼の男の結論の前に礼拝するのが得策であると感じたので、科学者は十円札を出して叫んだ。
「君、説明書を売ってくれ給え」
「十円ですか、おつりがありませんよ」
「おつりはいらんです。君の持っている説明書をみな下さい」
科学者は説明書の束と、セルロイド製の鵜烏の入ったボール箱とを小脇にかかえると猛然として夜店の人波をつき崩し、真しぐらに下宿の自室へとび込んだ。そして机の前に座るや、あらゆる公式と数値とを書いたハンドブックや、計算尺の揃っているのを見極めた上で、説明書を開いた。
「偉大なる結論というものは、大約短いものだ」
と早くも彼は嘆息した。そして両眼のピントを合わせてその結論を声高らかによみあげた。
「鵜烏の尻に穴をあけ糸を結び、他の一端を泥鰌の首に結びつくるべし。水は底が見えぬよう濁り水とすべし」
科学者には、何のことだか薩張りわからなかったが、数回反読する事によって、液体の沈降に及ぼす外力が泥鰌であることを了解し過ぎるほど了解した。それから次の説明書をよんでみたが、どれもこれも同じことばかりが書いてあった。