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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひめられたるそうわ

秘められたる挿話

松本 泰

Lesen Sie 秘められたる挿話 (ひめられたるそうわ) von 松本 泰 (まつもとたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.690 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

「私、寝不足なんですの、後で少し横になれば治ってしまいますわ。この児もいい塩梅に今朝はすっかり熱がとれてしまいました」

「お前もこれから少し運動する方がいいな、身体の為に、俺なぞはテニスをするのでこの二三年一ぺんだって病気をしたことはない。この通りだ」浅田は袖をまくって逞しい腕を振って見せた。

「おや、肘をどうなすって? 怪我をなすっていらっしゃるじゃァありませんか」折江は目敏く、良人の肘の下が蚯蚓腫になっているのを見付けた。

「ああこれか、こりゃ何さ、昨日自動車を自分で運転しようと思って、柵の針金にぶつかったのさ。家の運転手は、酒呑で仕方のないやつだから暇を出そうと思っているんだよ。自動車の運転位、すぐ覚えて了う」浅田は自分でも初めて気がついたように傷を見て、ばつの悪そうな顔をした。

「貴郎は本当に無茶だから気をつけて下さいよ。そんな事位でようございましたけれども、大怪我でもなすったら、どうするお心算なの」折江はしんみりした調子でいった。

夫から二十分後に浅田は家人に送られて玄関へ出た。門へゆく迄に、手入れをしない花壇があって、ダアリヤ、矢車草、孔雀草などが緑の島のように、ぼっさりと繁っていた。